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従来とは異なる手法で宇宙の物質の総量を測定 ~銀河団を構成する銀河を利用して実現~

掲載日:2023/09/14

 エジプト国立天文・地球物理学研究所の Mohamed Abdullah 研究員、千葉大学情報戦略機構の石山智明准教授らの国際共同研究チームは、銀河団の質量と銀河団の数の関係を、銀河団を構成するメンバー銀河を利用して高精度に推定しました。銀河団の質量と数の関係を数値シミュレーションによる予測値と比較した結果、宇宙に存在する物質とエネルギーの総量のうち物質が31%を占め、残りは暗黒エネルギーであることを突き止めました 。本研究で開発された新手法は、最新の天体望遠鏡を用いて集まりつつある新しい観測データに対しても応用可能であり、今後宇宙の起源の理解が深まることが期待されます。
 本研究成果は、2023年9月13日に、米国の天体物理学専門誌 The Astrophysical Journal に掲載されました。

230914_CMRR_01シミュレーション結果に基づいた銀河団の分布。それぞれの円は銀河団を表し、質量が大きいものほどサイズが大きく黄色く描かれています。宇宙における物質の総量などのパラメータを変化させた6モデルの結果を示しており、銀河団の質量や銀河団の数も大きく異なることがわかります。

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