ニュース・イベント情報
Topics

平成26年(2014年)学長年頭の挨拶

掲載日:2014/01/06

年頭の挨拶

  新年あけましておめでとうございます。皆様お揃いで、良いお年をお迎えのことと存じます。旧年中はいろいろなところで、いろいろな場面で大変お世話になり感謝申し上げます。


  昨年中は社会そして政治の流れに呼応するかのように国全体にとりまして、まさに激動の1年であったように思います。本学も例外ではなく大学あげていろいろ議論し、検討していただきました。中でもミッションの再定義、大学改革、ガバナンス、グローバルというkeywordで示されるような課題は大学に及び、外圧として押し寄せる波のように我々に迫って来た感じがします。これに対してどのように対処するかという事でも大変なご苦労を皆様にはおかけしたように思っています。


  大学が創立された時からの歴史を振り返るまでもなく大学は常に健全に発展させていくということに多くの方々の力を注いできた歴史があります。健全に発展させるための手法もその時代その時代によって必ずしも同じようには進めることは出来なかった歴史でもあるように思われます。その時代その時代で最適と思われる手法を使ってあらゆることを整えて発展のために尽力してきたという歴史であるように思われます。常に真に大学が進むべき方向はどうあるべきであり、そしてそのスピードはどうあるべきかという判断をして、進んできたのだと思います。その判断には常に大学がどうあらねばならないかといういわば大学の理念を軸になされてきたものと思われます。大学の理念を真に語れるようにするためには一方ではまさに現実的な手法が求められるものと思います。その手法の骨格には健全に発展させるための計画があり、それを担う人が必要であり、時に資材や予算が必要になるのであり、その実行のためには様々な要因を確保しなければなりません。そしてどのようにして成しとげていくかということであります。ある時代には国からの予算としてその計画そのものの良しあしの審査だけで決まることもあったでありましょうし、あるときには国の政策の一環として単なる順番として交付がなされていくということもあったと思います。では昨今ではどのような手法が求められていると考えるべきでしょうか。我々はどのように考えてこれに対処すべきでしょうか。現実的に極めて重要な課題であります。まず第一に、いつも申し上げていますが、皆さんはすべてそれぞれの分野でスペシャリストであります。専門家とは自らの考えを突き進めていく権利があり、義務があるのだと思います。それが許されるのが健全な社会であり健全な大学であると思います。しかし一方専門家はその行いがいわゆる非専門家に説明でき理解されるべきものでなければならないという責任があると思います。これが専門家のもう一つの義務であると思います。それがあって初めて専門家が行おうとしていることが成し遂げられるべきものになるのだと思います。


  現在、大学への予算の配分はその規模が全体として膨張し続ける時代というのではなく、機能強化、重点化ともいわれるように、ある領域に集中して配分するという、いわば目の前の効果あるいはその時に設定された目的に叶ったテーマやprojectに配分されるという時代であるように思われます。従って計画立案には、今全体にある機能を取捨選択してその中のいくつかを集中化して見せるということが求められると言うことができると思います。専門家としてあれも必要、これも必要だからこれらはなくせないということも当然あると思います。しかしすべてを得ることは不可能な現代において、何を捨て、何を得るかということを、説明できる専門家であることが求められているのだと思います。これがいま求められている計画を立てる場合の重要な基本手法であると思います。 専門家として大事にしたいことがある、どうしても続けなければならないことがある、それは十分わかります。それを完全に捨てきるべきであるとは申しません。ただそれを予算獲得のためにどのように見せるかということを示すのが専門家の役割であるということを申し上げたいということです。専門家として専門家の立場からするべきことをされるのは当然です。それを守り、そして昨年も申し上げましたが、したたかに予算獲得に向けた将来のビジョンを語る研究者であってほしいということであります。決して2重人格になれと申しているのではありません。専門家として最も大切にしていることを手にするための手法を柔軟に考えて欲しいし我々も考えたいということであります。ここで重要なことは単に目的達成のための計画のトリックを思いつくというのではなく、重要なことはその計画を担うための人材を常に育成する、育成する計画を示すということであると思います。


  来年度はさらに厳しい環境が迫って来るという予想もされています。しかしここ数年に成しとげられた成果をみるまでもなく、本学はその厳しさを乗り越える十分な力を持つ大学であります。小生の残された在任期間は少ないですが、この時間にも力を注いで参りますこと、そして新体制のもとにさらに大きく飛躍する年になっていくことを信じていることをお伝えし新年の挨拶とさせていただきます。

平成26年1月6日
千葉大学長 齋藤 康