1つの触媒が2つの異なる反応を制御する〜化学反応の連続化で医薬品開発を加速〜
2025年08月07日
研究・産学連携
千葉大学国際高等研究基幹の原田真至 准教授と千葉大学大学院薬学研究院の根本哲宏 教授の研究チームは、1つの金属触媒がまるでカメレオンのように自らの性質を変化させ、性質の全く異なる2つの化学反応を連続して進行させる新しい触媒技術 「酸化還元適応型オートタンデム触媒法」を開発しました。この技術を用いることで、医薬品などの複雑な化合物の骨格となる有用な物質を、空気中の酸素を利用しながら1つの工程で効率良く合成することに成功しました。従来、複数の手順と試薬が必要だった合成プロセスを簡略化できるため、医薬品や機能性材料の開発を効率化・低コスト化し、環境に優しい「グリーンなものづくり」へ貢献することが期待されます。
本研究成果は、2025年8月3日に、米国化学会の学術誌 ACS Catalysis で公開されました。
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図1:セリウム触媒による連鎖反応の概略