宇宙からみたオアシスの持続可能性―衛星リモートセンシングで発見したエジプト西方砂漠オアシスの地盤沈下―
2025年04月08日
研究・産学連携
千葉大学大学院園芸学研究科博士前期課程2年の黒上京太郎氏、千葉大学大学院園芸学研究院の濱侃助教、松岡延浩教授、上智大学外国語学部フランス語学科の岩崎えり奈教授らによる研究グループは、合成開口レーダー(SAR)注1)の観測データを解析し、エジプトのナイル川以西の広大な砂漠にあるハルガ(Kharga)およびダハラ(Dakhla)オアシスで地盤沈下が発生していることを発見しました。この地域は年降水量が0mmの極乾燥地域で、オアシスは世界最大級の帯水層とされるヌビア砂岩帯水層の地下水に依存した生活を送っています。顕著な沈下はオアシスの農地に見られたことから、灌漑用の地下水利用がその原因と考えられ、今回対象としたオアシスと同様に乾燥地に位置し、地下水に依存している世界中のオアシスで同様の現象が発生している可能性があります。本研究成果は、地上からは見ることができない地下水の状態や利用状況を広域に評価する新手法となる可能性があります
本研究成果は、学術誌Remote Sensing Applications: Society and Environmentで2025年2月22日に掲載されました。
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図1 オアシス位置図: ダハラオアシスとハルガオアシス。
(論文より一部抜粋・改変)