化学物質のゲノム毒性を簡便・定量的に測る新規試験法を開発~化学物質リスク評価の新たなアプローチ~
2025年03月19日
研究・産学連携
千葉大学大学院理学研究院の佐々彰准教授らは、国立医薬品食品衛生研究所ゲノム安全科学部の研究チームと共同で、化学物質が細胞に与えるエピジェネティックな影響を評価する新たな試験法を開発しました。この試験法の最大の特徴は、経済協力開発機構(OECD)の試験ガイドラインに基づく遺伝毒性試験の原理を活用しており、これにより高価な機器や複雑な技術を必要とせず、簡便かつ定量的な評価が可能である点です。この方法を利用することで、化学物質が生体にエピジェネティックな影響を与える度合いを、プラス・マイナスの数値として表現し、DNAメチル化阻害剤の効果比較や、発がん物質によるヒストン修飾H3K27Acの低下など、多様なゲノム毒性を検出することが可能となりました。
本研究成果は、英国科学雑誌 Scientific Reports にて3月5日に掲載されました。