ロタキサン架橋高分子の新しい強靭化メカニズムを解明 ~持続可能な社会を担う高分子材料の設計指針を確立~

2023年10月20日

研究・産学連携

 千葉大学大学院工学研究院の青木大輔准教授、東京工業大学物質理工学院の大塚英幸教授、博士後期課程3年の横地浩義大学院生らの研究グループは、Liverpool大学のRoman Boulatov教授、Robert T. O'Neill大学院生らと共同で、輪成分に軸成分が貫通したロタキサン構造を有する架橋高分子の新しい強靭化メカニズムを解明しました。

 本研究では、分子が力を受けて変形する際にロタキサン構造が解離する(軸から輪が抜ける)ことによって、「架橋高分子の架橋点への応力集中」を分散でき、分子全体としては壊れにくくなること(強靭化)を証明しました(図1)。ロタキサン構造は化学結合を介さずに空間的に連結した超分子構造です。本研究によりこのような構造が犠牲結合として働くことが明らかになったことで、今後機能性高分子材料の開発が加速することが期待されます。

 本研究成果は2023年10月18日(現地時間)に米国化学会誌「Journal of the American Chemical Society」にオンライン掲載されました。

  • 研究概要図

    研究概要図