薬物による副作用が皮膚で起こりやすい原因を発見~ヒト白血球抗原を介した細胞内からのストレスが引き金~

2024年04月15日

研究・産学連携

 千葉大学大学院薬学研究院 青木重樹講師、伊藤晃成教授、大学院博士後期課程4年(研究当時)の風岡顯良氏らの研究グループは、独自に作出したヒト白血球抗原(HLA)注1)の導入マウスを用いて、特定の人において薬物による副作用が皮膚で生じやすいしくみを解明しました。
 研究グループは、皮膚を構成する細胞内で特定のHLAと薬物が結合して生じる“不良品タンパク質”がストレスを発生させ、そのストレスが過剰な免疫の活性化の引き金になることを見出しました。免疫の活性化の延長線上で重篤な副作用に発展することから、この成果によって副作用の予防や治療法の開発に役立ち、個別化医療への貢献も期待されます。

 本研究成果は、2024年4月2日(現地時間)に、米国科学誌PNAS Nexusで公開されました。

  • HLA依存的に生じる薬疹とマウスを用いた再現実験

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