左右非対称さは「環境変化への柔軟性」と関係する
遺伝しない変異と進化との間の新たな関連を発見

2024年01月15日

研究・産学連携

 千葉大学大学院融合理工学府後期課程1年の斉藤京太大学院生、ルンド大学(スウェーデン)の坪井助仁博士、千葉大学大学院理学研究院の高橋佑磨准教授の研究グループは、オナジショウジョウバエの翅形態を対象 に、表現型可塑性の能力と発生ノイズの生じやすさとの関係性を検証しました。

発表のポイント
・動物の体は、発育過程で生じるランダムなゆらぎ(発生ノイズ)により、わずかに非対称になる。
・このような「ゆらぎ」が生物の生存や進化にどのような影響を与えるかはほとんどわかっていない。
・ショウジョウバエを用いて翅(はね)の形態の比較を行なったところ、左右が非対称性になりやすい系統ほど、環境に応じて形態を変化させる能力が高いことがわかった(図1)。
・これらの結果は、左右の非対称の生み出しやすさが変動する環境下での生き残りに影響するとともに、長期的には進化しやすさにも影響を与える可能性があることを意味する。

 本研究は国際学術誌Evolution Lettersに2024年1月15日に掲載されました。

  • 図1.研究成果の概要