母親の妊娠中のPFASばく露と4歳までの小児の神経発達との関連性:子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)
2025年12月12日
研究・産学連携
国立成育医療研究センター エコチル調査メディカルサポートセンター チームリーダーの目澤秀俊らの研究チームは、エコチル調査詳細調査の約4,500人を対象に、妊婦の血中PFAS(※1)濃度と生まれた子どもの2歳、4歳時点の発達との関連について解析しました。その結果、PFAS混合物全体、PFNA、PFUnA、PFDoA、PFTrDAと、2歳および4歳時の子どもの発達(全般的な発達と言語発達)との間に発達を促進する関連性が観察されました。一方で、PFHxSと2歳時の子どもの「認知適応」(折り紙や積み木など、指先を使う細かい動き)発達との間に発達を遅くする関連性が観察されました。まとめると、今回の妊婦の血中PFAS濃度と、2、4歳時点の発達に一貫した傾向は観察されませんでした。引き続き、PFASを含む化学物質と、より長期的な子どもの発達の関連を調べていくことが必要です。
本研究の成果は、2025年9月27日付でELSEVIERから刊行される環境疫学分野の学術誌『Environment International』に掲載されました。
※本研究の内容は、すべて著者の意見であり、環境省及び国立環境研究所の見解ではありません。
※本研究に関する補足説明資料を作成しました。以下のURLも併せて確認ください。
https://www.ncchd.go.jp/press/2025/1212_2.pdf