対話型「AIコンパニオン」の利用が主観的ウェルビーイングを高める可能性――1万4千人の調査で判明:孤独感が高い人や友人とのつながりが“中程度”の人で関連が強い

2026年01月21日

研究・産学連携

 千葉大学予防医学センターの中込敦士准教授らの研究チームは、対話型の「AIコンパニオン注1)」の利用と、人々の主観的ウェルビーイング注2)(人生満足度、幸福感、人生の目的、人生の意義)との関連を、日本全国のインターネットを利用している成人を対象とした大規模インターネット調査データで分析しました。その結果、AIコンパニオンの利用者は、全体として人生満足度、幸福感、人生の目的がわずかに高いことが示されました。一方で、要約・検索など“タスク目的”中心の一般的な生成AI注3)(非AIコンパニオン)の利用は、主観的ウェルビーイングとの明確な関連がみられませんでした。
 さらに重要な点として、AIコンパニオンと主観的ウェルビーイングの「関連の強さ」は一様ではなく、孤独感が高い人ほど強いこと、そして友人とのつながりが中程度の人で関連が最も強い可能性が示されました。
 本研究は、AIが作業の効率化だけでなく、感情面・心理社会面の支え(デジタルな心理社会的支援)になり得る一方で、恩恵を受けやすい人・受けにくい人がいることを、全国規模データから示唆するものです。
 本研究成果は2026年1月7日(日本時間)に国際学術誌Technology in Societyに掲載されました。

■用語解説
注1)AIコンパニオン:対話を通じて、友情・相談・情緒的サポートなど“関係性”を目的に設計された対話型AI(例:Replika、AI、Anima AI、Cotomo など)。
注2)ウェルビーイング:身体的・精神的・社会的に良好な状態にあることを指す。本研究では主観的ウェルビーイングである「人生の満足度」「幸福感」「人生の目的」「人生の意義」を評価した。
注3)生成AI:文章、画像、音声などを自動生成する人工知能技術。ChatGPT や Microsoft Copilot、Google Gemini などが代表例。

■論文情報
タイトル:AI Companions and Subjective Well-Being: Moderation by Social Connectedness and Loneliness
著者:Atsushi Nakagomi, Yasuko Akutsu, Mika Yasuoka Jensen, Noriyuki Abe, Shiichi Ihara, Taisuke Teroh, Takahiro Tabuchi
雑誌:Technology in Society
DOI10.1016/j.techsoc.2026.103229

  • 対話型AIコンパニオンの利用と主観的ウェルビーイングの関連は、孤独感が高い人や、友人とのつながりが中程度の人で関連が強い