民間の賃貸住宅に比べ、公的な賃貸住宅に住んでいる高齢者は9年間の死亡リスクが28%低い
持ち家が最も死亡リスクが低く、次に公的な賃貸住宅が低い
2024年04月12日
研究・産学連携
住宅は、健康にとって重要な要素の一つです。住宅には、持ち家と賃貸住宅があり、後者には民間賃貸住宅と公的賃貸住宅があります。これまで日本の高齢者を対象とした研究で、これらの住宅種別と死亡の関連については明らかにされていませんでした。千葉大学予防医学センター花里真道准教授と東京大学先端科学技術研究センター古賀千絵特任助教からなる研究チームは、9市町村の4万4007人の高齢者を2010年から約9年間追跡し、住宅の種類と死亡リスクの関連を検証しました。その結果、持ち家が最も死亡リスクが低いという結果でした。賃貸住宅の中では、公営・公団・公社などの公的賃貸住宅に住む高齢者で最も死亡リスクが低いという結果でした。公的賃貸住宅で実施された計画的な住環境の整備が健康に良い影響をもたらしている可能性があります。本研究は、日本での住宅種別と死亡の関連を検証したはじめての報告となります。引き続き、詳細の分析を進め、どのような住宅やまちの条件が健康に寄与するのかを検討することで、まちづくりや都市計画に寄与するエビデンスの生成を目指します。
本研究論文は、2024年3月30日にScientific Reportsで公開されました。