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令和元年度修了生代表挨拶

掲載日:2020/03/25

博士後期課程修了生代表

  この度は、新型コロナウイルスの感染拡大防止および安全確保のため、修了式は中止となり、寂しい気持ちはありますが、この日のために準備してくださいました徳久学長をはじめ、関係者の皆様に心より御礼申し上げます。無事、修了の日を迎えることができました。

  私は、本学看護学部を卒業後、看護師として臨床経験を積んだ後、2015年に博士前期課程へ入学し、博士後期課程へそのまま進学しました。特に博士後期課程の3年間では、自立した研究者となるため、様々な経験を積みました。附属病院の医師と共に学会発表や論文投稿をしただけでなく、地域の看護職の方々との交流、システムエンジニアとのディスカッションを通して、ICTを取り入れた看護研究を実現することもできました。このような研究活動ができたのも、唯一の国立大学看護学部および全国の看護学教育研究共同利用拠点として、社会の要請に応える先進的教育プログラムの開発や人材育成、医療系3学部との専門職連携教育を推進している本学に所属していたからこそできた経験と実感しています。4月からも、本学で学んだことを活かし、教育研究者として精進する所存です。

  最後になりますが、本日までご指導いただいた先生方、ならびにお世話になった皆様にこの場を借りて感謝申し上げるとともに、皆様のご清栄と千葉大学の益々のご発展を祈念し、挨拶とさせていただきます。

令和2年3月25日
博士後期課程修了生代表
看護学研究科
佐野 元洋

専門職学位課程・修士課程修了生代表

  やわらかな⽇差しと、桜の花に春の到来を感じながら、この修了の日を迎えられたことを、嬉しく思います。今年の桜は、暖冬により開花も早まり、また色づきも良くないといいますが、私にとって、今日の桜の美しさは特別であり、一生忘れることはないでしょう。

  現在の日本において、文系学問や基礎研究などの、いわゆる「すぐ役に立たない」と思われがちな学問は、「選択と集中」という観点からその価値が軽視されるなど、逆風吹き荒れる厳しい環境にあります。しかし、あらゆることが、「役に立つか・立たないか」という視座から捉えられてしまって、本当に良いのでしょうか。

  価値観が多様な現代を生きていく私たちにとって、ほんとうに必要なことは、決して、世界を役に立つ・立たないという軸で切り分けることではありません。そうではなく、そもそも何が役に立つのかについてさえ分かり合えないような、異なる価値観を持つ他者とともに、本当に私たちにとって役に立つこととはどういうことなのかを対話し続けること。このことが、価値観が多様化する今の時代に大学院を卒業する私たちに課せられた使命なのだと思います。

  卒業後も、「つねに、より高きものを目指して」、そしてそれだけではなく、その「高きもの」が誰にとっての「高き」なのかを見失わず、私と異なる「高きもの」を目指す他者とともに、社会に貢献していきたいと思います。

  これまで学⽣⽣活を⽀えてくださった先⽣⽅、職員の皆様、学問の場を暖かくサポートしていただいた全ての⽅々に感謝しております。本当にありがとうございました。

  最後に、太宰治の「惜別」から、仙台の医学校の留学生で、のちの文豪魯迅の言葉として書かれた一節を抜粋して、挨拶を終わりたいと思います。

 

 文章の本質は、個人および邦国の存立とは係属するところなく、実利はあらず、究理また存せず。ただ世に文章ありて人すなわち以って具足するに幾し。厳冬永く留まり、春気至らず、躯殻生くるも精魂は死するが如きは、生くると雖も人の生くべき道は失われたるなり。文章無用の用は其れ斯に在らん乎。

 

  これからも、「役に立つか・立たないか」を気にすることなく、まさに「無用の用」として桜の花の美しさを語ることのできる世界が続いていくことを、心から願って。

令和2年3月25日
専門職学位課程・修士課程修了生代表
人文公共学府
鈴木 南音